IG Groupのリサーチ・アナリストAnthony Grech氏によるマーケット概況。世界の経済データや要人発言等を踏まえた海外市場の最新情報を毎日お届けします。
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配信日:2010年3月18日(木)(このレポートはロンドン時間午後4時(日本時間翌日午前1時)にIGMarketsのAnthony Grech により配信される「アフタヌーン株式概況」を日本語訳したものです。)
本日の米国市場は、国内インフレ圧力の低下と雇用市場の回復を示す指標から寄り付きはやや値を上げていました。しかし、欧州がギリシャに対する財政支援策の提供に消極的なため警戒ムードが出始めています。
ギリシャの上級政府関係者はダウジョーンズに対して、もし財政支援策の詳細が来週までに明らかにされない場合は国際通貨基金 (IMF) に支援を求めなければならない可能性があると主張しています。
匿名のギリシャ上級政府関係者は「まだ欧州内での解決を望んでいるが、それが思うように進んでいない。もし3月25日の欧州サミットにおいて明確な支援策が得られなければ、次の選択肢を考えなければならない。複数のシナリオがあり、最も可能性があるのはIMFである。」と述べています。更に、この財政危機において欧州最大の経済国であるドイツとの溝は深まっているともコメントしています。[1]
堅調な米国の経済指標はリスク欲の回復につながっています。
米国市場の取引は米労働省のレポート公表から始まり、3月13日まで1週間の新規失業保険申請件数が、予想通り5000人減り45万7000人だったことを明らかにしています。同数の下落でより正確性のある4週間移動平均は前週の47万5500人から47万1250人に低下しています。この指標は、不安定要素のあった雇用市場が遅いペースではありながら回復していることを示しています。
明となった2月の米国の消費者物価指数 (CPI) は、1月の0.2%増から変化が無いことを示しています。しかし、2月の前年比インフレ率は2.1%で1月の2.6%から低下しています。これに加えて、食料品と石油価格を除くCPIコアは1.3%の上昇となり1月の1.6%増よりも緩和されています。これのレポートは、インフレ率が米国経済に対して差し迫った懸案事項ではないことを示し、米中央銀行は (Fed) はこの時点で政策金利を引き上げることができないため前向きな展開といえます。
市場心理を更に引き上げたのが0.1%増加した景気先行指数と市場予想を上回る上げ幅を示したフィラデルフィア連銀指数です。フィラデルフィア連銀指数は2月の17.6と比べて今月は予想通りの18.9となり、同地区の製造業の拡大が加速していることを意味しています。
本日午後に発表された指標は、投資家らに米国経済がまだ回復途上であることを再確認させているため米国市場は小幅な値上がりとなっています。
Silvercrest Asset Management Groupのスタンリー・ナビ氏は「CPIと失業保険申請件数は安心できる数字となっている。経済の成長が見られるがインフレ率の上昇の気配は無いように考えられる。そのため、しばらくの間は低金利が続き株式市場には好材料であろう。しかし、過去12ヶ月が堅調な値動きだったため最近では取引があまり活発ではなくなっている。[2]
ロンドン時間午後3時30分(日本時間翌日午前12時30分)現在、ダウ平均株は34.20ポイント高い (前日比+0.32%) の10767.91、S&P 500種株価指数は変動が無く1166.25となっています。
欧州のギリシャに対する支援への消極的な姿勢とドイツが同国にIMFによる支援を勧めている事実が釈然としません。欧州委員会は主要な域内各国に対して財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内まで削減するように圧力をかけていますが、現在の状況では非常に難しい課題です。これにより、欧州各国が自力で歩み始める可能性があるため注目です。
企業ニュースでは、スポーツ衣料品大手Nike (NKE) 株が、第3四半期の収益が2倍となり、コンセンサス予想を上回ったため5.7%急騰し一株当たり74.92ドルとなっています。更に同社は、北米事業における業績が過去1年で初めて増加したとコメントしています。
ビデオゲーム小売世界最大手GameStop Corp (GME) 株は、第4四半期における一株当たりの収益が予想を超えるものだったため、7.1%急上昇し一株当たり21.28ドルで取引されています。このレポートはライバルの英Game Group (GMG) 株にも影響し、3%高い96.75ペンスとなっています。
[1]ロイターニュース(2010年3月18日付)
[2]ブルームバーグニュース(2010年3月18日付)
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