水野浩一郎 新投資スタイルのススメ

最終回 CFDでETFを取引する

水野浩一郎

こんにちは。FXOnline Japanの水野浩一郎です。

まずはFXオンラインでの1月の取引ランキングを紹介いたします。

1 日本225種株価指数(ミニ)
2 ウォール街株価指数(ミニ)
3 スポット金
4 日本225種株価指数
5 ウォール街株価指数
6 ウォール街株価指数(円建て)
7 英国FTSE100(円建て)
8 香港HS株価指数(円建て)
9 スポット金(ミニ)
10 香港HS株価指数(ミニ)

スポット金の順位が少し落ちる一方、英国FTSE100や香港HS指数の円建てのCFDが12月のランク圏外から急上昇してきました。イギリスポンド建てや香港ドル建てのCFDの損益はぱっと計算しにくいですよね。円建てなら100円をかければいいという分かりやすさがランキングの上昇につながってきたのかなと思います。

さて前回は個別株式のCFD取引の具体的な戦略を2つ、紹介させていただきました。1つは公募増資のヘッジとして利用する。もう1つはレバレッジ効果により現物株では最小取引単位の大きい銘柄(例えばファーストリテイリング)を少ない資金で取引するといったものでした。

今回も個別株式のCFDを取り上げていきたいと思います。今回のトピックはETF。ETFとは聞いたことがある方も多いと思います。Exchange Traded Fundsの略語で、株式取引所に上場して株式と同様に取引されている投資信託のことです。日本でも東京証券取引所や大阪証券取引所に日経平均やTOPIXに連動するETFや、最近では金価格、ニューヨークダウ、中国の株価指数に連動するETFなどが上場しており、メジャーになってきていると思います。

FXオンラインでは世界各国の個別株式を取引が可能となっていますが、その中には100銘柄を超えるETFの取扱いも用意しています。株価指数に連動するETFは株価指数CFDで取引してしまえばいいので、あまり意味はありませんが、世界には様々なETFが上場しており、それによってさらにいろいろなチャンスを見つけることができます。

まずはFXオンラインで取引することのできる主だったETFをカテゴリーごとに紹介していきましょう。

1.単一国の株式に連動するETF

世界各国の株価指数に連動するETFは一番メジャーな存在。ただCFDで主要な株価指数については株価指数CFDとして取引できます。手数料は無料ですし、24時間取引できる銘柄が多くありますので、ここでは株価指数CFDとして取引できない国のETFを見ていきましょう。

銘柄名 ティッカー 上場国 投資対象
MSCI Brazil Index Fund – EWZ EWZ アメリカ ブラジル株
MSCI Brazil – IBZL IBZL イギリス ブラジル株
Market Vectors Russia ETF RSX アメリカ ロシア株
CSI300 China Tracker 2827.HK 香港 中国株
FTSE/Xinhua China Tracker – 2823 2823.HK 香港 中国株
MSCI China Tracker – 2801 2801.HK 香港 中国株
China 25 Tracker – FXC FXC イギリス 中国株
China 25 Index Fund – FXI FXI アメリカ 中国株
MSCI Turkey – ITKY ITKY イギリス トルコ株
Aberdeen New Thai Inv Tst ANW イギリス タイ株
MSCI Malaysia Index Fund – EWM EWM アメリカ マレーシア株
Vietnam Opportunity Fund VOF イギリス ベトナム株

例えば、ブラジル株は以前よりBRICsの一角として投資資金が流入しており、2016年のリオデジャネイロオリンピックの開催が決定によってさらにインフラ整備などの拡大など、グローバルマネーの受け皿として注目が集まっています。ブラジルの株式市場には現在のところ、株価指数CFDとしての取り扱いはできません。しかしアメリカやイギリスで上場しているETFにCFDを通じて取引することができます。

2.複数の国の株式に投資するETF

またひとつの国の株式市場だけではなく、いくつかの国の株式市場に連動するETFも世界各国で上場され、取引されています。株価指数CFDにはヨーロッパの主要企業50社からなる株価指数に連動する欧州50種株価指数がありますが、ここではそれ以外のETFについてみていきたいと思います。

銘柄名 ティッカー 上場国 投資対象
MSCI World – IWRD IWRD イギリス 世界株
MSCI EAFE Index Fund – EFA EFA アメリカ 米国を除く世界株
MSCI Emerging Markets Fund – EEM EEM アメリカ エマージング株
Vanguard Emerging Markets – ETF VMO アメリカ エマージング株
ETF MSCI Emerging Markets IEEM イギリス エマージング株
Claymore/BNY BRIC ETF EEB アメリカ BRICs株
S&P Latin America 40 Index ILF アメリカ 南米株
MSCI AC Far East ex-Japan – IFFF IFFF イギリス 日本を除くアジア株

最初にあげたIWRDという銘柄はMSCI Worldという株価指数に連動するように設計されたETFとなります。世界の1500社の株価動向を示していますので、この1銘柄でほぼ全世界の株式市場に投資しているといっても過言ではありません。

3.株式セクターに連動するETF

ETFの中には特定のセクターに投資するものもあります。自分が詳しいと思う業種に投資できるので、投資の幅を広げることができる可能性を秘めています。

銘柄名 ティッカー 上場国 投資対象
S&P Global Industrials Index Fund EXI アメリカ 世界の工業株
S&P Global Financial Sector IXG アメリカ 世界の金融株
Market Vectors Agribusiness ETF MOO アメリカ 世界の農業株
東証銀行業株価指数連動型上場投資信託 1615 日本 日本の銀行株

例えばIXGに投資することで世界の金融株全般に投資ができることになります。ボルガールールを乗り越えて金融株が大きく復活するかどうかを、この1銘柄だけで取ることができることになります。

4.商品市場に連動するETF

最近日本でも上場が増えてきたのが商品市場に連動するETFです。特に金価格に連動するETFへの資金流入が金価格を押し上げてといった循環が見られることもニュースになっています。CFDでは主要な商品先物も取引が可能ですので、ちょっと変わった銘柄を探してみましょう。

銘柄名 ティッカー 上場国 投資対象
PowerShares DB Commodity Tracking DBC アメリカ DB商品指数
S&P GSCI Commodity-Indexed Trust GSG アメリカ GSCI商品指数
ETC All Commodities DJ-AIGSM AIGC イギリス DJ-UBS商品指数
Lyxor ETF Commodities CRB LCRB.SI シンガポール CRB商品指数

これらの銘柄は商品市場の価格を指数化した商品指数に連動するものとなっています。個別の商品を選んで投資するには、ちょっと情報が足りないぞと思う方は中長期的な商品価格全般の上下動を取るのにいいかもしれませんね。

5.不動産が投資対象のREIT

REITとは不動産投資信託と言われ、実物の不動産を取得する投資信託が株式取引所に上場して取引できるものになります。実際の不動産投資をせずに不動産に投資することができます。CFDでは世界各国のREITにも投資ができるのです。

銘柄名 ティッカー 上場国 投資対象
DJ US Real Estate Index Fund – IYR IYR アメリカ アメリカの不動産指数
Cohen & Steers Realty Majors – ICF ICF アメリカ アメリカの大手REIT指数
FTSE EPRA/NAREIT UK Property Fund IUKP イギリス イギリスのREIT
SPDR S&P/ASX 200 Listed Property SLF.AX オーストラリア オーストラリアのREIT指数

6.ショートのETF、レバレッジのかかったETF

日本にはまだ上場されていませんが、アメリカなどでは株価指数の2倍の動きをするETFや、株価指数と全く逆の動きをするETFが取引されています。ETFの買いによって「株価指数の売り」と同じ経済効果を持つことができるのです。主要な株価指数ならCFDでもっとレバレッジのかかった取引ができますので、株価指数CFDや商品先物CFDではできないETFを探してみましょう。

銘柄名 ティッカー 上場国 投資対象
Ultra Financials ProShares UYG アメリカ アメリカ金融株指数の2倍
UltraShort Financials ProShares SKF アメリカ アメリカ金融株指数の2倍ショート
Ultra Real Estate ProShares URE アメリカ アメリカの不動産指数の2倍
UltraShort China 25 ProShares FXP アメリカ 中国株指数の2倍ショート

FXPでは中国本土の株式に対してショートのポジションを持つことができます。株価指数CFDでも投資することができない銘柄をさらに売り持ちができるので非常に有用性が高いといえます。中国のバブルがいつ崩壊(沈静化?)するのかを見極めながらFXPをロングするのは面白そうです。

このように世界中の様々なETFをウォッチすることで、さらに投資の幅を広がることがお分かり頂けたと思います。ただしここで注意点を最後に。ETFは取引所で取引されており、銘柄によっては流動性が薄いことがよくあります。投資する前にはそれまでの出来高を確認したほうがいいでしょう。流動性の低い銘柄については売り建てができなかったりすることもありますので、注意してください。またETFは個別株CFDの一部となりますので、FXオンラインでは外付けの手数料がかかります。往復の手数料を考えておかないと損が出てしまますので、ご注意を。最後にCFDの場合、ETFのポジションを日をまたいで保有し続けるとファンディングコストがかかってきます。金利が低いアメリカ、イギリスなどでは売り買いともに毎日金利が支払いとなりますので、長期的な投資には気をつけたほうがいいでしょう。

この表を手元に置いておけば、今まで縁遠かった中国株やエマージング株、不動産市況にも投資することができるという訳です。是非ご活用を。

参考文献:『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』橘玲+海外投資を楽しむ会編著

雑誌「FX攻略.com」 5月号掲載